A.堆肥は、完熟したものでないと、家畜飼料に混入していた外国産の雑草種子が生き残っている場合があります。堆肥は必ず完熟して雑草種子を死滅させた状態のものを用いましょう。
A.大豆は連作を続けると地力(土がもっている肥料分)を消耗していきます。連作は2回程度までにとどめ、完熟牛糞堆肥等の有機物を積極的に投入して地力の維持回復に努めましょう。
A.どうしても堆肥を投入できない場合は、大豆と水稲の輪作を行いましょう。大豆を1年栽培したら水稲を2年以上栽培し、稲わらを全量鋤きこむように管理することで、地力の消耗を軽減する栽培体系となります。
A.雑草を抑える最も有効な方法は、水稲との輪作です。大豆で発生する畑雑草は、水稲では発生しないため、雑草の個体数を抑えることができます。
なお、大豆の雑草防除は、中耕培土等の機械除草と除草剤による除草を組み合わせた防除が一般的です。
A.大豆の収量が上がらない原因は複数考えられます。とくに水田転作大豆では排水対策不足による湿害が最も多く見られます。排水対策が十分な場合は、土壌検定を実施し、土壌のpHや肥料分が適性な範囲にあるかどうか、また、センチュウの発生や土壌由来の病害発生の有無を確認しましょう。
A.草木灰には、リン酸やカリといった大豆栽培に必要な肥料成分が含まれており、大豆栽培に適した肥料といえます。
A.大豆の茎葉は十分あるのに莢が着かないは、次のような原因が考えられます。
①大豆開花期の干ばつによる落花。
②肥料分の過剰や極度の早播きによる過剰生育で大豆の受光体勢が悪化している。
③病害虫による害。
まずは原因を特定し、開花期灌水、適正な栽培管理、防除等の対策を実施しましょう。
A.どの技術が優れているかは一概には言えません。大豆を栽培する地域、圃場条件、品種等により適した技術が異なるためです。
例えば倒伏に強い品種を湿害の恐れがない圃場で栽培するのであれば、省力化の観点から不耕起狭畦密植栽培が適しています。また、倒伏しやすい品種を水田転作で栽培する場合は、倒伏を軽減する中耕培土、湿害回避が可能な耕うん同時畦立て播種技術が向いています。
A.アメリカアサガオやマルバルコウ等のいわゆる帰化アサガオ類は、全国的に大問題となっています。中耕培土による機械除草と、大豆バサグランの全面散布、バスタ液剤の畦間株間処理を組み合わせた体系防除が有効です。
帰化アサガオ類は一度圃場に入ってしまうと根絶が非常に困難です。水田畦畔等をよく観察するとごく普通に生育している場合があるため、畔草の除草を徹底してください。とにかく圃場に侵入させないことが重要です。
A.大豆は発芽前後が最も水に弱く、生育初期の湿害は収量の低下に直結します。湿害回避のために排水対策は徹底しましょう。
A.大豆の生育にはほかの作物と同様に肥料が必要です。とくにリン酸、カリ、カルシウムなどの要求量は高めです。チッ素は、大豆の根に共生する根粒菌の働きによりある程度は吸収できますが、大豆の収量を十分確保しようとすると化成肥料や堆肥等でチッ素供給をしてやることが必要になります。堆肥等の施用や田畑輪換により地力を低下させないことがポイントです。
A.大豆をつくるために水田を畑地化すると土中に空気が入り、有機物の分解が促進されて土がもっている肥料分が放出されます。このことから、従来は「土地が肥えた」という見方がされていました。
しかし、最近の研究では、水田のときに蓄えられた地力が溶出することで「土地が肥えたように感じるだけ」とする考え方が一般的です。
むしろ大豆は生育中に吸収するチッ素量が多く、地力を消耗する作物です。堆肥等の施用や田畑輪換により地力を消耗させないようにしましょう。