地大豆とは、土地土地の農家が自家採種し、長い年月をかけて育ててきた在来品種の大豆のことです。
同じ国産大豆でも、エンレイやフクユタカなどに代表される改良品種(奨励品種)とは区別されて地大豆と呼ばれています。
国内には、名前がわかっているだけでも約300種類の地大豆が存在していますが、一般にはほとんど流通していません。
しかし近年、地大豆は、豆腐や味噌、納豆など一部の加工業者から、味わいの深さや風味の良さが高く評価され、それぞれの産地でも改めてその価値が見直されつつあります。
一般に地大豆は、その土地の風土や気候に順応している点が特徴で、病害虫に強く、栽培しやすいと言われています。
その一方で、機械化のために品種改良された奨励品種とは異なり、今日の機械作業体系の枠に収まらないのも地大豆の特徴です。
味は、安定して画一的な奨励品種とは異なり、甘いものやコクのあるものなど、品種によってさまざまなバリエーションがあります。この点が実需者や消費者からの人気の要因となっているようです。
■全国の地大豆の分布