AGRI NEWS [MAFF アプリ連携-農林水産省]

2023年09月08日

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農業DX事例紹介⑬AI病害虫雑草診断アプリを活用して生産性を向上

農業DX事例紹介⑬AI病害虫雑草診断アプリを活用して生産性を向上
農業DX事例紹介⑬AI病害虫雑草診断アプリを活用して生産性を向上
農業DX事例紹介⑬AI病害虫雑草診断アプリを活用して生産性を向上
農業DX事例紹介⑬AI病害虫雑草診断アプリを活用して生産性を向上
農林水産省では農業や食関連産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の具体的なイメージを持っていただけるよう、農業や食関連業界におけるDXの実践事例を紹介しています。13回目の今回はAI病害虫雑草診断アプリ「レイミー」を活用し生産性の向上を図られている農家のご紹介です。宮城県石巻市のたかはし農園の高橋健輔さんを訪問しお話しを伺ってきました。

※「レイミー」とは:AIが作物や田畑に発生する病害虫や雑草を写真から診断し表示された候補から利用者が選んだ防除対象に有効な薬剤情報を提供するスマートフォン用の防除支援ツール。(詳しくは、参考URLからご覧ください。)


――本日はよろしくお願いします。高橋さんの農場について教えてください。何を生産・販売されているのでしょうか?

 水稲とネギの生産を行っています。会社員をしていましたが、4年前に父の農場を引き継ぐ形で新規就農しました。専業農家ですが基本的に1人で生産しており、収穫など繁忙期のみ知人・親戚に手伝ってもらっています。父の代では水稲栽培だけでしたが、複合経営にしたいために新たにネギ栽培を始めました。ネギ栽培は、JAに生産部会があることから選びました。当初20aの畑で始め現在は50aとしています。販売先はJAを通じた市場流通が中心です。 


――限られた労働力で複合経営を目指されているのですね。生産性の向上が重要そうです。AI病害虫雑草診断アプリ「レイミー」も生産性向上を目指して使い始めたのでしょうか?

 生産性の向上は非常に重要だと考えています。新規就農なので生産性向上の余地は大きく学ぶべきことも多いです。ですから、圃場に出て農作業をする時間がとても重要で農作業に集中するためにもそれ以外の作業は効率化したいと思っています。そのためにデジタルツールを活用しています。
ただ、「レイミー」は生産性を上げるという明確な目的を持って使い始めたわけではありません。日々スマホで農業関連の情報を収集しているので「レイミー」の存在はサービス開始当初から知っていましたが、しばらくは使っていませんでした。「レイミー」は生産作物毎に病害虫の診断をしてくれるのですが、2021年にネギが対象作物に追加されたので、試しに使ってみたのがきっかけです。無料なので使ってみようかな、合わなければやめればいいや、という軽い気持ちでした。

――軽い気持ちで始めた「レイミー」を継続して使われているのですね。具体的にはどのように活用されていますか?またどのような効果がありましたか?
 
水稲、ネギ共に病害虫や病気の診断と病害虫対策の選定に使っています。日々圃場を見回り作物に異変がある場合には、「レイミー」で撮影して診断しています。「レイミー」は、作物を撮影するとその場で瞬時に病害虫や生育障害の候補を出してくれます。診断の確度も表示されるので判断の参考になります。また特定した病害虫や病気に対してどのような農薬の登録があるかについても示してくれるので参考にしています。
 基本的な病害虫や対処方法の知識は JAの営農指導員、農業改良普及センター、生産部会の仲間から聞いて知ってはいるのですが、まだまだ自分の判断に自信がないというのが正直なところです。「レイミー」を使うことで自分の判断に自信を持ち対処方法を決定することができるようになりました。「レイミー」の診断の精度はそれなりに高いと感じていて、私のような新規就農者や若い方には生産性を向上させる有用なツールだと思います。また、休憩時間にスマホを見るのですが、その際に図鑑機能も使っています。眺めているだけで病害虫や対処法の知識が増えて助かっています。


――AIを病害虫や対処方法の判断のパートナーとして使っているのですね。当初想定していた以外の効果はありましたか?

 圃場を見回り観察する、という習慣がついたことが、想定外のメリットでした。圃場を観察することの重要性は知識としては知っていましたがしっかりと実践できていませんでした。「レイミー」を使いはじめてからできるようになったのです。作業が始まってからではスマホを操作できないので、農作業の前にスマホを持って圃場を歩くことが日課となりました。以前も圃場を見ていたつもりだったのですが、作業しながらではよく見ていなかったようです。観察のために圃場に行き、時間をかけることが重要なのだと気づきました。結果として生産性も向上しました。また、撮影した写真がそのまま記録になるので昨年の状況などを正確に振り返ることができるようになりました。人の記憶はとても曖昧なので、負担にならず記録でき必要時に振り返ることができて助かっています。


――AI診断アプリを使うことで新しい習慣ができたのですね。素晴らしい効果ですね!デジタルツールは他にも活用されていますか?また活用のコツがあったら教えてください。

「レイミー」のほかに栽培記録のアプリと天気予報アプリを使っています。どちらも無料版です(笑)。デジタルツール活用のコツは、本当に自分に必要なものだけを使うということだと思っています。私はGAPを取得し、GAP指導員でもあるのですが、当初は綺麗な記録を作ることに時間をかけていました。しかし農家にとって最も重要で時間をかけるべきは農作業です。生産活動に集中し生産性を向上させるためには、デジタルツールは必須だと考えていますが、ツールの活用が目的になってはいけないと思っています。デジタルツールも記録も自分のためです。今の自分に必要なものを見極めていくことが大切ではないでしょうか。そして見極めには、まず使ってみる、という姿勢が大切だと思っています。


――まず使ってみることで自分に必要なデジタルツールを見極められているのですね。とても示唆にとんだお話しだと思います。最後に今後の課題や将来の展望を教えてください!

 「レイミー」をはじめ デジタルツールも活用して、より一層生産性を高めていきたいと思っています。デジタルツールをはじめとした投資を的確に行い、魅力的な農園を作っていきたいと思っています。そして、笑顔でみなさまにお届けする作物を作っていきたいです!


――どうもありがとうございました。今も高橋様は素晴らしい笑顔をされていますが、ますます笑顔が増え魅力的な農園となることを祈っています!


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いかがでしたか。今回は、AI病害虫雑草診断アプリを生産性向上に役立てていらっしゃる高橋健輔さんをご紹介しました。軽やかに新しいことに挑戦されている姿がとても印象的でした。今後も、DXに取り組む農業・食品産業の方を取材・紹介していきます。それでは!

情報元: 農林水産省

この記事は、農林水産省政策情報API を利用して取得した情報をもとに作成していますが
サービスの内容は農林水産省によって保証されたものではありません。

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