国内で行われている直播栽培には、入水した圃場に播種する湛水直播栽培技術と、入水前の圃場に播種する乾田直播栽培技術があります。
さらに、湛水直播は種子コーティング資材別に栽培方法が異なります。
ここでは播種方法別、種子コーティング資材別に
それぞれの特徴を比較してみましょう。
湛水直播 | 乾田直播 | |||
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カルパーコーティング |
鉄コーティング |
べんがらモリブデン コーティング |
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コーティング 資材 |
カルパー粉粒剤 | 微細還元鉄粉+焼石膏 +(シリカゲル) |
べんモリ資材 (0.1倍重用もしくは 0.3倍重用) |
基本的になし |
種子コーティング 資材コスト (10aあたり) |
1.0倍重 1,500円程度 2.0倍重 3,000円程度 (播種量3kg/10a想定) |
0.5倍重 1,200円程度 (播種量4kg/10a想定) |
0.1倍重 400円程度 0.3倍重 1,000円程度 (播種量4kg/10a想定) |
ー |
種子の保存 | 種子用保冷庫で7日程度 | 冷暗所で1年以上 | ①冷暗所で1ヵ月以上 ※1 ②種子用保冷庫で14日程度 ※2 |
ー |
播種方法 | 湛水土中播種 (土中10mm程度) |
湛水土壌表面に播種 | 湛水土中播種 (土中5~10mm程度) |
畑状態の水田に 土中播種 |
メリット |
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課題 |
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※1: | 活性化種子(水温15~20℃で積算60℃浸種)にコーティングし、種子内部まで乾燥させた種子の場合 |
※2: | はと胸種子(水温15~20℃で積算90℃浸種し、胚芽が膨らんだ種子)にコーティングし、表面のみを乾燥させた種子の場合 |
※3: | カルパーコーティング種子、鉄コーティング種子との井関農機独自比較 |
※4: | べんがらモリブデンコーティング種子、鉄コーティング種子との井関農機独自比較 |
中山間地等で害虫発生が多い場合、あるいは高冷地、天候不順など気象条件により生育初期にいもち病発生が予想される場合は種子コーティング時に処理するタイプの薬剤で予防防除を行います。 | |
【例】 | 殺虫剤:ヨーバルシードFS 殺菌剤:ルーチンシードFS、エバーゴルシードFS |
使用方法を誤ると薬害や効果の低下が発生しますので、普及指導機関の指導に従いましょう。 |