井関農機株式会社

営農・栽培技術

直播栽培Q&A

Q.直播は育苗がなくて省力低コストだから全部直播にしたいのだけれど、問題ないのかな?直播の収量は移植の収量と同じくらいなのかな?

A.確かに直播は育苗の必要がなく省力効果が評価されています。しかし、ほ場条件や天候条件によって苗立ち不良や雑草繁茂になりやすく収量が減る可能性があるので、すべて直播に切り替えることは避けましょう。(移植比1割減(農林水産省実証事業結果 平成13~15年))

ISEKIでは移植と直播を組み合わせ、省力化・面積拡大することを推奨しています。

Q.直播は楽なのに、なぜ普及があまり進んでいないの?

A.現在の直播栽培の普及率は移植面積の2%程度です。その理由は、苗立ちが不安定なことやほ場均平が必要なこと、雑草防除が大変なことなどが挙げられます。しかし、これらの課題は直播栽培技術を徹底することで解決することができます。

Q.直播をやろうとしたら専用の農機が必要になるから、かえってコストが上がるんじゃないの?

A.湛水直播を行うための多目的田植機は移植・直播兼用の田植機です。これを導入すれば、移植用と直播用で田植機を2台もつ必要はありません。移植ユニットと直播ユニットを付け替えるだけで使えるので、移植+直播の複合的な営農に役立ちます。

一方、乾田直播は導入した農機を大豆や麦など他の畑作物にも活用できるので、田畑混合の大規模複合経営を行うことでコストを抑えられます。

Q.湛水直播栽培にはべんがらモリブデンコーテイング、鉄コーティング、カルパーコーティングがあるけれど、どれがいいの?

A.コーティング資材ごとそれぞれにメリット・デメリットがあります。よく比較検討して、自分の経営に取り入れていくことが必要です。

べんがらモリブデン

  • 主なメリット
    コーティング資材が比較的安価
    コーティングが簡単
  • 主なデメリット
    農家レベルの栽培実績が少ない

  • 主なメリット
    様々な機械で播種できる
    スズメによる鳥害を回避できる
  • 主なデメリット
    根が浅くなりやすく倒伏しやすい

カルパー

  • 主なメリット
    発芽・苗立ちが最も安定しており早い
    栽培技術が確立している
  • 主なデメリット
    コーティング資材が比較的高価

Q.直播栽培にレーザーレベラーは絶対必要?

A.直播栽培においてほ場の均平をとる作業は非常に重要な工程なので、レーザーレベラーやGPSレベラーを使ってほ場を均平にするのがベストです。導入できない場合は、ハローを使用しほ場が均平になるよう丁寧な代かきをして対応することもできるので、湛水直播栽培をオススメします。

Q.肥料は移植栽培と同じでいいの?

A. 直播栽培は移植栽培に比べて生育のタイミングが遅れたり肥効が異なったりするので、移植栽培用の一発肥料がマッチしない場合があります。

以下のような施肥を検討してください。

  • 直播用一発肥料を使う(湛水直播用と乾田直播用で異なります)
  • 生育を見ながら基肥+追肥体系
  • 肥効の長い一発肥料を使う

Q.農薬は移植栽培と同じでいいの?

A. 直播用の農薬が法令で決められています。農薬ラベルの適用作物の欄に「直播水稲」の登録があるものを使用しましょう。

また、適用作物の欄に「稲」と書かれていても使用できない農薬もあります。農薬ラベルの各欄の説明をよく読み、使用可能か確認してください。

詳しくは、農薬取扱店又は農薬メーカーにお問い合わせください。

Q.直播についてもっと詳しく話を聞きたい。誰に聞いたらいいのかな?

A.詳しくはお近くの販売店までご連絡ください。スタッフが対応いたします。

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