直播栽培技術の比較

直播栽培技術の比較

国内で行われている直播栽培には、入水した圃場に播種する湛水直播栽培技術と、入水前の圃場に播種する乾田直播栽培技術があります。
さらに、湛水直播は種子コーティング資材別に栽培方法が異なります。

ここでは播種方法別、種子コーティング資材別に
それぞれの特徴を比較してみましょう。

湛水直播作業
湛水直播機:機械情報は写真をクリック
乾田直播作業
乾田直播作業

 

■播種方法別、種子コーティング資材別の栽培技術比較

カルパーコーティング
カルパーコーティング
鉄コーティング
鉄コーティング
モリブデンコーティング
べんがらモリブデンコーティング

 

  湛水直播 乾田直播
カルパーコーティング
鉄コーティング 
べんがらモリブデン
コーティング
コーティング
資材
カルパー粉粒剤 微細還元鉄粉+焼石膏
+(シリカゲル)
べんモリ資材
(0.1倍重用もしくは
0.3倍重用)
基本的になし
種子コーティング
資材コスト
(10aあたり)
1.0倍重 1,500円程度
2.0倍重 3,000円程度
(播種量3kg/10a想定)
0.5倍重 1,200円程度
(播種量4kg/10a想定)
0.1倍重  400円程度
0.3倍重 1,000円程度
(播種量4kg/10a想定)
種子の保存 種子用保冷庫で7日程度 冷暗所で1年以上 ①冷暗所で1ヵ月以上
※1
②種子用保冷庫で14日程度
※2
播種方法 湛水土中播種
(土中10mm程度)
湛水土壌表面に播種 湛水土中播種
(土中5~10mm程度)
畑状態の水田に
土中播種
メリット
  • 土中播種ができる
  • 土中播種のため鉄コーティングより倒伏しにくい
  • 発芽苗立ちが最も安定しており早い
  • 栽培技術が確立している
  • 表面播種が前提の技術のため、様々な機械で播種できる
  • スズメによる鳥害を回避できる
  • 種子の保存性が高い
  • 土中播種ができる
  • 土中播種のため鉄コーティングより倒伏しにくい
  • 種子コーティング資材費が安い※3
  • 種子コーティング作業が簡単※3
  • 汎用ドリルシーダー、V溝直播機、汎用播種機等が用いられる
  • 播種作業能率が極めて高い
  • 土中播種のため倒伏しにくい
課題
  • 播種時に確実に覆土しないと鳥害が発生する
  • コーティング種子の保存性が低い※4
  • コーティング資材の価格が高い※4
  • 種子製造工程で鉄粉の酸化熱による種子死滅リスクがある
  • 播種時に代が柔らかすぎると種子が埋没し発芽不良になる
  • 表面播種技術のため、根が浅くなりやすく倒伏しやすい
  • 播種時に確実に覆土しないと鳥害が発生する
  • 種子コーティングに鉄コーティングのような鳥害回避効果はない
  • 農家レベルの栽培実績が少ない
  • 播種作業時期に降雨があると播種できない
  • 代かきに代わる漏水防止策が必要
※1: 活性化種子(水温15~20℃で積算60℃浸種)にコーティングし、種子内部まで乾燥させた種子の場合
※2: はと胸種子(水温15~20℃で積算90℃浸種し、胚芽が膨らんだ種子)にコーティングし、表面のみを乾燥させた種子の場合
※3: カルパーコーティング種子、鉄コーティング種子との井関農機独自比較
※4: べんがらモリブデンコーティング種子、鉄コーティング種子との井関農機独自比較

 

中山間地等で害虫発生が多い場合、あるいは高冷地、天候不順など気象条件により生育初期にいもち病発生が予想される場合は種子コーティング時に処理するタイプの薬剤で予防防除を行います。
【例】 殺虫剤(イネミズゾウムシ):キラップシードFS
殺菌剤(いもち病):ルーチンFS
使用方法を誤ると薬害や効果の低下が発生しますので、普及指導機関の指導に従いましょう。