疎植栽培は品種を選ばないから、飼料用として作付けされる多収米ももちろんOK。低価格で販売することが求められる飼料用米づくりにおいて重要なのは低コスト生産です。
「質より量」が求められる飼料用米の栽培は、生産コストを低く抑えることに加え、倒れにくくつくりやすいことが重要となります。疎植栽培は、こうした飼料用米の栽培に求められる要素を満たした栽培技術です。飼料用米の先進地山形県では、疎植だけでなく、大豆あと無肥料栽培と立毛乾燥を組み合わせて低コスト化を図っています。
20日かけて立毛乾燥させた"べこあおば"
近年、外国品種など多様な遺伝資源を利用して、飼料用米に求められる特性を満たし、日本各地の地域条件に適した品種が開発されています。
(出展:農研機構「米とワラの多収を目指して2013」)
※このうち、タカナリ・もちだわら・北陸193号は直播適正の低い品種です。多収性を十分に発揮するには、直播より移植の方が向いており、ぜひとも疎植でチャレンジしたい品種です。
いきなり主食用米で疎植栽培に挑戦するのが不安な人は、飼料用米で疎植の試験栽培をやってみるとよいでしょう。一作やってみて慣行栽培と同じように穫れることがわかったら、来年、改めて主食用米で疎植にチャレンジしてみましょう!