A.疎植栽培は従来の栽培方法と同じ延長線上の移植栽培なので、疎植栽培だからといって特別な技術や新しい機械、資材を必要とするものではありません。栽植密度が違うだけで、決して難しく考える必要はありません。
A.栽植密度が違うだけで、収量は基本的に慣行栽培と同等です。ヰセキグループでは、試験栽培等を通じて日本全国の地域条件やさまざまな品種に適した栽培ノウハウの確立に取り組んでいます。また、全国各地のヰセキグループ営業拠点には疎植営農指導員が在籍していて、地域密着型のサポートを展開しているため、初めての方でも安心して疎植栽培に挑戦していただけます。
A.疎植は雑草が生えやすいと考えている人が多いようですが、除草剤の散布で解決できるレベルの問題です。『除草剤を散布する際、しっかり水深を保ち、地表に均一な処理層をつくる』という除草の鉄則を守ってください。
A.基本的に肥料は慣行と同等量必要です。疎植では面積あたりに使う苗は半分ですが、株あたりから多めに穂数をとり、慣行と同等量の籾を生産します。慣行より施肥量を減らすと穂数が十分に確保できず、減収の原因となります。
A.疎植の稲は、慣行栽培と比べて株数が少なくても収量が同等になるのが特長です。適正な数の茎数がとれているかどうかが、収量・品質を確保するうえで重要なポイントになります。また、籾の熟れ方が、慣行栽培より時間がかかるため、収穫適期はやや遅くなります。
A①.分けつをさせすぎた結果、茎が細くなり、籾が少なくなってしまったことが原因と考えられます。疎植栽培では分けつが旺盛になりがちですが、茎数が多くなりすぎると収量にはマイナスになります。適切な水管理を基本として、地域・品種に応じた適正茎数を確保するよう心がけてください。
A②.茎数がとれて穂が実ったものの、後半になって肥切れし、登熟歩合が上がらなかったことが原因と考えられます。分けつのとりすぎが第一の要因ですが、地力が低いと後半になって肥切れを起こします。疎植の場合には、穂肥時のチッソ量が総量の4割以上になるように施肥してください。
A.春までにヰセキ田植機の購入をご検討ください。ヰセキ田植機は、全機種の乗用田植機で37株疎植が標準装備となってます(歩行型田植機・ポット田植機は除く)。
A.育苗のプロセスを省略できる直播は確かに効果の高い低コスト技術です。ただし、冷涼・湿潤な気候条件下では出芽・苗立ちが不安定になりやすく、コシヒカリ等の品種では倒伏のリスクが高くなります。また、種子の休眠性が強い品種では苗立ちが悪いなど、ある程度の制約を覚悟する必要があります。その点、移植で行われる疎植栽培は、発芽の心配がなく、初期生育が安定しているため、「リスクの小さい低コスト技術」と評価されています。
A.つくり方は同じです。ただし、植付本数に気をつけましょう。植付本数は基本的に3~4本/株ですが、寒冷地では少し多めに4~5本/株とします。また、出荷の際、県で株数が指定されている場合は、その株数で移植するようにしましょう。
A.まずは田んぼの半分でもいいので実践してみましょう。もし不安でしたら、お近くのヰセキ販売店にご相談ください。また、飼料用米等の新規需要米を作付けしている方は、そこで試験栽培をしてみてはいかがでしょうか。一作つくってみて慣行栽培と同等に穫れることがわかったら、翌年から主食用米でチャレンジしてみてください。
A.株間30cm×条間30cmの疎植栽培は、稲本来の生命力を最大限に引き出すのに最適な環境だからです。かつて手植え時代には『尺角植え』と呼ばれる標準的な栽培方法でした。
田植えが機械化されたことで密植が主流となりましたが、井関農機は技術開発により37株疎植を可能にしました。
ヰセキグループは疎植栽培による省力・低コスト技術を確立し、その普及に取り組んでいます。
A.お近くのヰセキ販売店にご相談ください。疎植パートナーが皆様のお側でサポートします。
Q.飼料イネ(WCS)は子実だけでなく茎・葉も利用するから、株数の少ない疎植栽培は不利なのでは?
A.東北農研センターによる試験栽培(平成22年)では、疎植による飼料イネの収量(黄熟期乾物収量)は通常と比べて2%減、多肥区では通常と同程度の収量でした。疎植による低コスト・省力化を勘案すれば、飼料イネ(WCS)でも充分に導入効果が期待できると評価されています。