疎植栽培は特別な栽培技術ではありません。基本は、皆さんがこれまでにやっていた慣行栽培と同じです。 疎植ならではのポイントさえ抑えておけば、誰にでもできる栽培方法です。
疎植栽培では田んぼに植える苗が少ないため、収量確保の心配から植付本数をつい多くしてしまいがちです。
しかし、疎植栽培では植付本数を増やさなくても、慣行栽培と同等の収量が確保できます。
植付本数が増えれば、苗箱数が増加するだけでなく、倒伏や病気の原因となるなど、マイナス面が大きくなることがあります。
疎植の稲は分けつが旺盛なので、中干しによって生育を調整してあげましょう。
中干しの時期は、目標茎数の約30本を確保した頃が目安です。
土の表面に軽くひびが入る程度の中干しが最も効果的です。
ひびが深く入りすぎると、登熟期間に重要な働きをする「うわ根」を切ってしまう恐れがあるので注意しましょう。
疎植栽培だからといってチッソ総量を通常から変える必要はありません。
慣行栽培と同等のチッソ総量を施肥してください。
また、疎植の稲は葉色が濃いので穂肥を控えてしまいがちですが、稲の活力を維持するためには慣行と同等の施肥量が必要となります。
疎植の稲は穂が大きいので登熟するまでに時間がかかる傾向があります。
収量・品質確保のためには刈取適期をしっかり見極めましょう(早刈りは禁物)。
穂の8割が熟れ色になっていれば刈取適期です。