生物多様性の保全

井関グループの生物多様性ガイドライン

基本的な考え方

 井関グループは、生物多様性が生み出す自然の恵み(生態系サービス)の恩恵を受けていることを認識するとともに、生物多様性保全への取り組みを環境マネジメントの重要な課題と位置づけています。地域社会などのさまざまな関係者とともに、生物多様性に配慮した事業活動の推進、及び商品やサービスの提供、生物多様性保全と生物多様性からの恵みの利用継続により、自然との共生社会・持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。

具体的な取り組み

  1. 事業活動のすべてのステージにおいて、生物多様性へ与える影響に配慮し、すべての事業所から環境へ排出する有害な負荷を低減することにより、生物多様性保全に努めます。
  2. 生物多様性保全に配慮した安全で使いやすい農業機械・農業施設を提供し、持続可能な農業への支援と河川などの自然環境保護への取り組みを支援することにより、生物多様性保全に努めます。
  3. 自然の摂理と伝統に学ぶ技術開発を推進し、生物多様性保全に寄与する技術の開発・普及に努めます。
  4. 生物多様性保全への取り組みをより実効あるものにするため、ステークホルダー及び地域社会など、さまざまな関係者とコミュニケーションを図り、生物多様性に関する認識を共有し、連携することに努めます。
  5. 従業員に対し環境教育を実施し、社会全体で生物多様性保全を育む意識の向上に努めます。

井関グループの環境リスクと企業リスク

事業活動による生物多様性への影響を把握し、リスクの低減や機会の創出に努めています。

井関グループの環境リスクと企業リスク

生物多様性保全型農業の提案(太陽光利用型植物工場)

 当社は、1962年、国内にいち早くオランダ式「太陽光利用型植物工場(ダッチライト型ガラス温室)」を導入し、多くの植物工場を建設してきました。
 複合環境制御装置「MINORI+」や植物の光合成能力を非破壊・非接触で計測する「植物生育診断装置」に加え、環境負荷低減につながる養液循環システムや在来種「クロマルハナバチ」による受粉作業など、生物多様性保全型の農業を提案しています。
 愛媛県にあるモデル植物工場では、企業の農業参入を検討されているお客さまに対して、これからの農業の主要モデルとしてご紹介しています。また、当社の植物工場に関する研究開発や実証と人材育成に取り組んでいます。

生物多様性保全型農業の提案(太陽光利用型植物工場)

モデル植物工場外観
モデル植物工場外観

トマト
トマト

環境保全型農業普及拡大の取り組み(減肥・減農薬)

化学肥料や農薬の使用量削減を目指す環境保全型農業は、生物多様性配慮をはじめ、食の安全など、持続可能な農業の実現に貢献できます。経験だけに頼らないセンサとデータを駆使した化学肥料の削減や水田の雑草取り作業の省力化による農薬の削減など、先端技術を取り入れたスマート農機が環境保全型農業の普及拡大の柱になると考えます。

可変施肥田植機は、田植えと同時にセンシングにより肥料の量を調整する当社独自の技術ですが、肥料を約30%削減できます。乗用管理機のスマート追肥では、作物の生育量に応じて自動で調整します。トラクタ作業機の「うね内部分施用機」は、うねを立てながら、作物の生育に必要部分にだけ施肥をすることで、慣行に比べ30~50%の肥料削減が見込めます。

直進アシストシステム搭載 可変施肥田植機 PRJ8
うね内部分施用機「エコうねまぜ君」

稲作における有機農業拡大の動きを受けて、 水管理作業、雑草管理作業が課題となっており、当社のスマート農機・スマート農業技術を融合させて全国の自治体や企業連携による実証実験、普及促進にも力を入れています。田植直後の田んぼの雑草には、自動抑草ロボット「アイガモロボ」を核とし、環境保全型スマート農業を構築していきます。ソーラーにより駆動するため化石燃料など必要とせず、水田内を巡回しながら泥を撹拌することで雑草の成長を抑制する効果があります。

自動抑草ロボット「アイガモロボ」