土づくり

個人での週末だけの作業でもちょっとした手間をかけることで、良い土壌を作ることができます。
また化学肥料よりも、有機堆肥を用い続けることで土が年々肥えてきますから、環境にやさしくおいしい野菜を作ることも可能です。
化学肥料を使うときでも上手に使うことで、優れた効果を引き出せます。
土づくり

土壌改良のポイント

pHの調整pHの調整
日本の土壌は主に酸性のことが多いようです。野菜にとって最適な土壌のpHは中性~微酸性です。病気の原因となる「悪玉菌」の滅菌、害虫の駆除効果もあるので、石灰をすきこみ土壌を中性~微酸性に調整しておくとよいでしょう。
有機肥料をなるべく使う有機肥料をなるべく使う
化成肥料ばかり使っていると、土中の善玉菌の食料が少なく、また肥料を保持する力の不足した土壌環境となってしまうので、なるべく有機肥料を使いましょう。
化成肥料・配合肥料の使い方化成肥料・配合肥料の使い方
化成肥料、配合肥料を使う際には効果的な使い方をしましょう。
上手に使うことで、手間をかけずに作物を作れます。
土を団粒化させる土を団粒化させる
繊維質などの有機物を含んだ肥料を適量すきこむことにより、土を粒状にして空気を含む根の呼吸に適した団粒構造の土を作ることが出来ます。

団粒構造の土と単流構造の土

植物にとって良い土壌は、「土:50、水:25、空気25」と言われています。
水はけも、水もちも良くなければ水と空気がほどよくある土壌にはなりません。
水はけや水もちは土の粒構造によって決まります。
団粒構造の土と単流構造の土
団粒構造団粒構造
単粒がくっついて団子状になった状態のことです。団粒構造の土ではすきまが多く、新鮮な空気と水が通りやすいため、植物が元気に育ちます。単流化した土を団粒化させるには、腐葉土などを混ぜます。作物を収穫した土は十分に耕うんして、土を一部入れ替えたり腐葉土を混ぜたりして、土を団粒構造に戻しましょう。
単粒構造単粒構造
砂質の土のように、直径1mm以下の非常に細かい土の粒のことです。サラサラした砂などだけではありません。たとえば粘土は中でも非常に細かい単粒が、すきまなくくっついた土です。単粒ばかりバラバラの状態の単粒構造の土には粒の間の隙間がほとんどないため、空気が少なく水も抜けにくい状態です。このため根腐れしやすくなります。

では、具体的な菜園の土づくりを見てみましょう

菜園栽培の場合、菜園予定地に畑の土などを運び込むなどして土を入れ替える方法もありますが以下の手順で毎年土壌改良を行えば年々肥えた土になり、良い収穫を得られる土を作ることができます。またなるべく有機肥料を使い、作物を作りつづけることにより、土中の善玉菌が活性化して土壌が改良されます。
では、具体的な菜園の土づくりを見てみましょう
あると便利な道具
  • くわ
    土の掘り起こしやうね立てに使います。また、備中くわで荒起こしした後、細土にするときにも使います。
  • くわ
  • スコップ
    土が固い時や地中に埋まった作物を取るときにも使います。また、一輪車で肥料や土を運ぶときにも活躍します。
  • スコップ
  • 備中くわ
    土の荒起こしや砕土に使います。
  • 備中くわ

天地返し

年に1回程度、菜園をスコップで30cm程度掘り起こし、地下部分となっていた土を地表に出しましょう。これにより地中の害虫、雑草の宿根を寒さにあて退治することができます。天地返しとは菜園の表層と深層を入れ替えることです。管理機で表土を深く耕うんすることである程度の表土の天地返しもできます。
  • スコップ、クワでの天地返し後の菜園
    スコップ、クワでの
    天地返し後の菜園
  • 耕うん作業
    耕うん作業

たい肥のすき込み

植物植付けの2~3週間前程度に土の粒子を菜園向き(団粒状態)にするための堆肥をすき込みます。(無難なのは繊維質の多い腐葉土。量については、1平方メートルあたり2~3リットル位です。土の状態と植え込む植物で加減してください。野菜を作る場合と、何も作っていなかった場所に新規に植え付ける場合は多めにすると良い。しかし肥料のやりすぎにも注意してください。)

石灰の散布・すき込み

最短でも植え付けの2週間前ごろに行います。地表がうっすら白くなる程度散布し、これをすき込みます。
  • 肥料を播きながらすき込み
    肥料を播きながら
    すき込み
  • 管理機でもすき込めます。
    管理機でも
    すき込めます。

うね立て

植え付ける植物の大きさに適したうね幅でうねを作りましょう。うねは立てなくとも植物は育ちますが、立てておくと根の周囲に空気が入りやすく生育が目に見えて良くなります。
  • クワでのうね立て
    クワでのうね立て
  • うね立て機を装着しての作業
    うね立て機を
    装着しての作業

新規に菜園を作る場合

予定地の雑草や石などを取り除いてからNo.1~No.4を行う。

さらに一手間

No.1については、石灰散布前に再度行っておくと良いでしょう。