COP30に参加　ミドリ・インフィニティ　賛同企業として共同声明発表、および可変施肥技術とメタン削減に向けた取り組みを紹介しました

　井関農機株式会社（本社：愛媛県松山市、代表取締役社長：冨安司郎）は、2025年11月10日から21日にブラジルベレンで開催の国連気候変動枠組条約第30回締約国会議（COP30）に設置されたジャパン・パビリオンのセミナーにおいて、「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ（ミドリ・インフィニティ）」の趣旨に賛同する民間企業32社の１社として共同声明「COP30における声明：気候変動、アグリ・フードシステム及び持続可能な開発」の発表を行いました。
　また、ミドリ・インフィニティの実現に資する脱炭素技術ソリューションを紹介する農水省セミナーにおいて、農業分野での脱炭素に資する取り組みとして当社が推進する環境負荷低減の2つのスマート技術「可変施肥技術、スタートアップ企業との連携によるメタン削減支援」の発表を行いました。

１．スマート農機の可変施肥技術による施肥量削減・施肥効率向上

　当社は、スマート農機の可変施肥技術として「リアルタイム可変施肥田植機（単体制御）」と「MAPデータ連動型可変施肥田植機（外部連携制御）」を開発し施肥量削減、施肥率向上により、低コストで精密な施肥管理を実現します。
　リアルタイム可変施肥田植機（単体制御）では、田植機搭載センサーが作土深とSFV（土壌肥沃度）を検知し、施肥量をリアルタイムで調整。試験では、施肥量を約16％削減しつつ施肥率を向上、収量・品質を維持することを確認済みです。
　MAPデータ連動型可変施肥田植機（外部連携制御）では、衛星等で作成されたMAPデータと農機を連携し、場所毎に最適な施肥量を設定できます。　　
　これらの技術により、化学肥料削減、コスト低減、環境負荷軽減を同時に推進し、持続可能な農業の実現に貢献します。

２．スタートアップ企業との連携によるメタン削減支援

　当社は、スタートアップ企業の株式会社NEWGREENと連携し、同社が開発する水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ®」による水田における環境負荷低減を推進しています。
　アイガモロボ®は、水田の濁り水と泥層を形成して太陽光を遮断し、雑草の発芽・生育を抑制する効果が確認されています。また、ロボットが水中を攪拌することで水田内の酸素供給が促進され、メタン発生を抑える効果も期待されています。
　除草剤の使用削減と温室効果ガス排出の抑制の両面から、より持続可能な水田農業の実現に向けた取り組みを進めています。