Storyさなえ誕生ストーリー

農家を過酷な労働から解放したい。その想いのもと、当社の田植機の研究は1953年に工場のかたわらに数坪の試験田を設け、基礎研究を始めたのが発端である。当初は成苗用の単条式を研究していたが、1963年からは複条式アタッチメント型に重点を移し研究を続行した。しかし成苗の実用化は容易ではなかった。

研究を続ける中、農村でも稚苗移植が受け入れられる見通しとなったのを機に、稚苗用の開発に力を入れた結果、当社初の田植機として1967年テイラーアタッチメント方式のひも苗4条植え田植機「P4A型」を試験販売開始。

その後、現在主流であるマット苗に開発を進めるとともに、大きな課題であった機体の沈みを、プラスチック製フロートを使用することでみごとに解決。こうして誕生した2輪後傾苗タンク式の新型田植機「PF20」は、性能・デザインともにかつてない見事な製品に仕上がり、更に使っていただくお客様に親しみを込めて呼んでいただくため、愛称を「さなえ」と定めました。

1971年、ここにヰセキの「さなえ」が誕生しました。
発売当初から「さなえ」は人気が高く、更に1973年に油圧制御による機体高さ自動制御機構「さなえマチック」を装備し、2・4・6条とシリーズを整えると、一気に勢いを増した。一方、宣伝についてもテレビコマーシャルに売出し中歌手の桜田淳子さんを起用したことで、さなえのイメージが農村の隅々まで浸透していった。

田植機も歩く時代から乗る時代を向かえ、1978年業界に先駆けて開発した後方植え乗用田植機「PLシリーズ」を発売。
さらに1987年、ロータリ式植付装置田植機「PAシリーズ」を開発。従来のクランク式植付方式と比較し約2倍のスピードを実現し、水稲農業の生産性向上に貢献。更に3年後の1990年には累計生産実績100万台を達成しました。

その後もヰセキの研究開発は続きます。1999年からPAシリーズは低コスト農業37株疎植植付に対応。2007年には旋回作業補助システム「Zターン」搭載田植機「PZシリーズ」を発売。平成27年にはNPシリーズとしてモデルチェンジし、2016年、リアルタイムに圃場の肥沃度、作土深をセンシングし、自動減肥する「業界初土壌センサ搭載型可変施肥田植機」を販売開始。そして2017年にはISEKI直進アシストシステム「Operesta(オペレスタ)」搭載田植機を発売し、多くのお客様にご使用いただいています。

「田植機さなえの思想は、
全国に広がっています」

本年2020年、「さなえ」が誕生し50年目の節目の年になります。
ISEKIは今後も日本の田植えをリードしていきます。