History田植機さなえ50年の歩み
「PF20」“さなえ”誕生

当時歩行田植機を開発する上で大きな課題であった機体の沈みを、プラスチック製フロートを使用することで解決。2輪後傾苗タンク式の新型田植機「PF20」は愛称「さなえ」で販売。桜田淳子さんのテレビコマーシャルとも相まって、親しみのあるネーミングはお客様に浸透し、発売当初から高い人気を得る。ヰセキの田植機さなえの歴史はここから始まった。

「PLシリーズ」後方植え乗用田植機

大手農機メーカーでは乗用田植機の開発に乗り出すなか、当社は業界に先駆けて開発した後方植え乗用田植機「PLシリーズ」を販売開始した。6条植えに8条植えもラインアップに加え発表。四輪駆動による抜群の操作性能を持ち、様々な圃場で安定した植付精度が得られ、苗の補給も運転席からワンタッチ、さらに理想的なフロート配列により畦ぎわまでキレイに植付けができるなど、画期的な製品であった。以降、後方植え、専用型は日本の乗用田植機の基本形となった。

「PAシリーズ」ロータリ式植付装置田植機

乗用田植機の登場により操作性・居住性が大きく改善された当時、能率面では歩行田植機とあまり変わりがないことが農家の不満となっていた。ロータリによる植付部のスピードアップは、植付けの爪の角度に問題があり、実用化は不可能と思われていたが、その難題を解決し、商品化に成功。従来のクランク式植付方式と比較し約2倍のスピードを実現し、水稲農業の生産性向上に貢献。更に3年後の平成2年には累計生産実績100万台を達成しました。

「PA3シリーズ」37株疎植植付対応

株間、条間ともに30cm間隔の一坪37株で植える疎植栽培は、田植えの苗箱数を減らすことができる低コスト栽培の技術であるが、車速に対し植付け速度を遅くすると苗を引きずってしまい、植付姿勢が悪くなってしまうことが問題であった。これを解決するため、偏芯ギヤーを採用することで、ロータリ植込杆が素早く回転する領域とゆっくり回転する領域を作り出すことに成功。この「クイック&スロー機構」により植え付けの瞬間だけ素早く植えることができ、苗を引きずることなく疎植で植えることができるようになった。

「PZシリーズ」旋回作業補助システム“Zターン”搭載田植機

オペレーターの田植え作業を更に効率化する、業界初の画期的なシステム“Zターン”。植付けの旋回時ハンドルを旋回方向に切るだけで、植付けを切り植付部が上昇、旋回中は内側後輪クラッチが切れてノーブレーキで旋回、さらに旋回後ハンドルを戻すと自動で植付部・マーカが下がり隣接条にあわせて植付け再開を行ってくれます。その後のモデルチェンジ機にも受け継がれ、自動旋回機能の代名詞として機能名も継承しています。

「NPシリーズ」土壌センサ搭載型可変施肥田植機

石川県農林総合研究センターと共同で研究開発を行なった業界初の田植機。田植えをしながら、圃場の肥沃度・作土深をセンシングし、リアルタイムに自動減肥することができる。これにより圃場の養分・深さのばらつきによる生育ムラをなくすことで倒伏が軽減でき、生育の均一化を図れるとともに、肥料削減効果も期待できる。また、GPSを搭載しており専用アプリケーション(アグリサポート)をインストールしたタブレットで作業実績や圃場状態等のマップも記録することが可能。スマート農業を利用した低コスト農業の決め手としてヰセキが誇るICT田植機。

「NPシリーズ」自動直進システム“Operesta(オペレスタ)”搭載田植機

農業機械の自動操舵化が進む中、田植機さなえにも自動直進システムを搭載。オペレーターをアシスタントする機能として“Operesta(オペレスタ)”と命名。レバー1本の簡単操作で、集中力が必要な田植え作業の直進操舵をアシストする。疲労を軽減し、不慣れな作業者でも真っすぐに植えることができる。畦に近づくと警報&自動減速機能、畦に乗り上げると自動的にエンジンを停止する等の安全機能も装備。特に大面積を作業するお客様に喜ばれ、好評を得ています。