財務・資本戦略

財務体質の改善とキャッシュフロー創出により、価値創造を財務面からサポートします。

前中期経営計画の振り返り

 前中期経営計画において、2020年度の売上高1,900億円、営業利益90億円及びROE8%以上を目標としてきましたが、当初想定していた事業環境から大きな変動があったことに加え、製造子会社の収益性低下により固定資産減損損失を計上したことで、いずれも大幅未達となりました。
 財務面では、2020年に実施した生産調整による在庫削減、固定資産減損損失の計上に伴う有形固定資産の圧縮は進んだものの、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)やD/Eレシオは高止まりしており、財務体質の改善が必要だと考えています。

取締役

取締役 執行役員
神野 修一

新中期経営計画における財務戦略の方向性

 創立100周年となる2025年に向けた新中期経営計画においては、財務体質改善に重点を置いた財務戦略を取っていきます。基本戦略である構造改革と経営効率化による収益性改善に加え、資産効率の改善により、今後5年間の累計で600億円の営業キャッシュフロー創出を目指すとともに、有形固定資産のスリム化と有利子負債削減に努め、新中期経営計画の最終年度である2025年までにROE8%達成を目指していきます。

新中期経営計画における財務戦略の方向性
新中期経営計画における財務戦略の方向性

財務体質改善に向けた取り組み

営業キャッシュフローの創出

 2030年に向けた長期ビジョンの実現に向けた施策を実行するには、事業基盤となる財務体質を改善し営業キャッシュフローを最大化する取り組みを通じ、再投資に向けた原資の確保が必要だと考えています。
 営業キャッシュフローの最大化に向け、CCC短縮につながる在庫削減に取り組んでいきます。国内製品の流通体制改善による在庫の運用効率化に加え、国内生産体制を最適化し日々変動する販売状況への生産対応力を高め、販売と生産のバランスの最適化により、在庫削減を進めていきます。

設備投資の選択と集中、設備効率の向上

 新中期経営計画において、営業拠点や生産設備への投資に加え、経営効率化につながるIT投資などの投資を計画していますが、財務体質改善には有形固定資産のスリム化が必要であり、設備投資の総額は減価償却費の範囲内としています。資本コスト目線での判断を徹底し重点領域へ投資を集中するとともに、国内生産体制の最適化を通じグループ内の生産設備を有効活用し、有形固定資産のスリム化を進めていきます。

有利子負債の圧縮

 前中期経営計画である2016年~2020年において、有利子負債は700億円弱、D/Eレシオは1倍前後で推移していますが、新中期経営計画においては、財務体質改善に向け有利子負債圧縮を推進いたします。
 営業キャッシュフローの最大化と有形固定資産の圧縮を通じ創出したFCF(フリーキャッシュフロー)を原資とし連結有利子負債を削減し、2025年にはD/Eレシオを0.8倍まで引き下げることを目標としています。
 なお、新型コロナウイルス感染症拡大など先行き不透明な環境に柔軟に対応できるよう、当社では主要取引銀行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結し、事業運営上必要な資金の流動性と安定性を十分に確保しています。

経営管理体制の強化

 日々変化する経営環境に対応しつつ経営目標を達成するには、経営管理体制の強化が必要だと考えています。開発製造、国内営業、海外営業の3つの機能別にトラクタ・コンバイン・田植機などの事業を評価する『社内カンパニー制』を導入し、更なる連結経営の見える化を進めます。また、現在進めている財務会計システムの刷新、管理会計システムの新規導入により経営をスピードアップすることで、経営管理体制の強化を図っていきます。

株主還元の方針

 当社は、株主の皆様に対する安定的な配当を、重要政策のひとつとしています。持続的な事業活動の前提として、財務の健全性の維持向上を図りつつ、収益基盤や今後の事業展開、経営環境の変化などを総合的に勘案したうえで、安定的な配当を継続していくことを基本方針としています。
 2020年度の配当につきましては、減損損失の業績に与える影響が大きく、当期純損失を計上したことから、財務体質の強化を最優先と考え、誠に遺憾ではございますが、期末配当の実施を見送らせていただきました。早期に安定的な株主還元を再開できるよう、全社をあげて構造改革と経営効率化に取り組んでいきます。

結びに

 基本理念である「お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供」を通じ豊かな社会の実現へ貢献するため、財務体質を改善、強固な財務基盤を構築し、持続的な成長と企業価値向上を支えていきます。