実証

2023.12.14更新者:ISEKI

大豆チャレンジ2014

大豆チャレンジ2014

※本記事は2014年に井関農機㈱のHP(夢総研だより)に掲載された内容を転載・再編集しています。

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概要

テーマ登録日2023.12.14

大豆づくりに挑戦!

茨城県つくばみらい市にある井関農機㈱中央研修所近くの農地で、夢ある農業ソリューション推進部が初めての大豆づくりに挑戦しました。


レポート1

最終更新日2023.12.14

2月3日 深耕

水田転作ということで、プラソイラで20㎝深耕しました。

作土の下のネリネリ不透水層を取り除くことで、作土層を拡大させ大豆の根張りを良くします。

作土層の拡大は水田転作の基本です!


レポート2

最終更新日2023.12.14

5月8日 排水対策、堆肥散布、石灰資材散布

弾丸暗渠施工

アグリヒーロー応援プロジェクト研修の一環で、販売会社の方々と一緒に作業しました。湿害回避のための排水対策として、溝堀機で額縁明渠を、サブソイラーで弾丸暗渠を施工しました。

堆肥散布

大豆は窒素固定するものの、地力を消耗するので堆肥を投入しておきます。

牛ふん堆肥 2t/10a

石灰資材散布

土壌診断の結果、pHは5.5と酸性に傾いていました。大豆の適正pHは6.0~6.5なので苦土石灰で酸度矯正します。グランドソワーで耕うん同時資材散布です。

苦土石灰 200kg/10a


レポート3

最終更新日2023.12.14

6月30日 種子消毒

種子伝染病や病虫害を防止するため種子消毒をしておきます。忌避剤も入っているので鳥害も回避できます。

クルーザーMAXX 8ml/種子1kg


レポート4

最終更新日2023.12.14

7月2日 耕うん同時畦立て施肥播種

大豆を耕うん同時畦立て施肥播種しました。畦立てすることで湿害軽減を狙います。品種はタチナガハです。アップカットロータリの爪配列を変えるだけで畦が立つのはすごいですね。

アップカットロータリで表面は細かく、下層は粗く耕します。これで発芽率アップ!

窒素成分で2.4㎏/10aの基肥を入れました。基肥窒素が多すぎると根粒菌の活性が下がるので控えめに。

クロップ608(N:P:K=6:10:8) 40㎏/10a

 

播種後、乗用管理機で除草剤を播きました。

ラクサー乳剤 薬液量500ml/10a 希釈水量100ℓ/10a


レポート5

最終更新日2023.12.14

7月10日 発芽確認 【播種後8日目】

しっかり発芽してくれました。まずは第一関門クリアです。


レポート6

最終更新日2023.12.14

7月19日 2葉期 【播種後17日目】

前日に大雨が降り、畝間に水がたまっていましたが、大豆は元気です。

2葉が完全に展開し、3葉が成長してきています。

根粒菌もついてきました。根粒菌は空気中の窒素を固定して大豆に供給してくれる良い菌です。


レポート7

最終更新日2023.12.14

7月24日 中耕培土(1回目) 【播種後22日目】

大豆は3葉~4葉期に入っていました。 中耕培土の適期です。

乗用管理機+ロータリーカルチで中耕培土。除草&培土で多収をめざします。


レポート8

最終更新日2023.12.14

8月3日 中耕培土(2回目) 【播種後32日目】

乗用管理機+エコ草取り君で高速作業、ディスク式なので速くて快適です。サンバイザーがほしいです。

中耕培土は開花期前に済ませておきましょう。開花期以降は根を傷めます。


レポート9

最終更新日2023.12.14

8月5日 開花始まり 【開花後1日目】

現在7~8葉です。それぞれの葉から脇芽が出始めました。ちらほら開花を始めました。


レポート10

最終更新日2023.12.14

8月16日 害虫注意【開花後10日目】

草丈は70~80cm程度で、生育は良好です。

前回8月5日の開花期から10日過ぎましたが、もうすぐ莢(さや)伸長期に入ると思います。

虫による食害の痕が見られるようになってきました。近いうちに防除を行わねば。

葉が白くなったらハスモンヨトウの仕業!


レポート11

最終更新日2023.12.14

8月21日 防除(殺虫) 【開花後16日目】

草丈は90cm程度に生長しました。 現在莢伸長期に入り、小さな莢がたくさんついています。

害虫「カメムシ、ハスモンヨトウ」の発生が目立ってきたので防除を行いました。

カメムシ、マメシンクイガなど → スミチオン乳剤 1000倍希釈 145l/10a


レポート12

最終更新日2023.12.14

9月14日 防除(殺虫&殺菌) 【開花後40日目】

9月13日に乗用管理機と吊り下げノズルを使って殺虫・殺菌防除を行いました。吊り下げノズルを使うことで莢にも農薬を散布でき、農薬の効果を向上させます。

使用した薬剤を下記に示します。

カメムシ → キラップフロアブル 2000倍希釈 180l/10a

紫斑病、腐敗病 → ベルクートフロアブル 1000倍希釈 180l/10a

ハスモンヨトウ、マメシンクイガなど → プレバソンフロアブル5 4000倍希釈 180l/10a

吊り下げノズルで中まで防除!

大豆は枝豆で食べられそうなくらい大きくなっています。 カメムシはいなくなっていました。


レポート13

最終更新日2023.12.14

9月19日 枝豆としては食べられそう 【開花後45日目】

大豆は莢が膨れて、枝豆としては収穫適期です。

もう一回紫斑(しはん)病と害虫の防除を10月初めに行う予定です。


レポート14

最終更新日2023.12.14

9月29日 防除(殺虫&殺菌)【開花後55日目】

大豆圃場を見て回ったのですが、ハスモンヨトウやオオタバコガは見られませんでした。カメムシは以前ほどではありませんが、少し見られます。

そこで、9月13日の防除から17日後、9月30日にカメムシ・紫斑病の防除を行いました。

紫斑病、腐敗病 → ベルクートフロアブル 1000倍希釈 180l/10a

カメムシ → アルバリン顆粒水和剤   2000倍希釈 180l/10a

私の乗用管理機の操作が未熟で、枕の大豆をだいぶ踏んでしまいました。踏んだ大豆は枝豆としていただきました。おいしかったです。


レポート15

最終更新日2023.12.14

10月9日 台風後① 【成熟期1日目】

10月7日、関東に台風が接近しました。台風で倒れるかと心配しましたが、私が乗用管理機で踏んだところ以外は倒れていませんでした。中耕培土の効果と深耕により根が深く張っていたおかげです。

葉色が落ちてきたようです。子実肥大は終了し、成熟期に入っていきます。防除はもうないので、あとは畦畔除草をしながら待つだけです。


レポート16

最終更新日2023.12.14

10月14日 台風後② 【成熟期6日目】

10月13日に二度目の台風。今度こそ倒れてしまうのではないかとヒヤヒヤしましたが、大丈夫でした。中耕培土の効果でしょうか。強い大豆に育ってますね。

葉がだいぶ黄色になってきました。

豆の色も黄色に。実はじわじわと大豆の大きさに縮んでいきます。不思議です。


レポート17

最終更新日2023.12.14

11月4日 収穫間近 【成熟期27日目】

前回、黄色かった葉はほとんど落ちました。大豆は葉が落ちて登熟する(枝豆から大豆になる)そうです。ここで莢がついてない場合は葉が落ちずになかなか枯れてくれないので、収穫が遅れます。

莢の色は茶色になり、収穫間近という感じがします。収穫適期の大豆は莢を振るとカラカラ鳴って枝がポキリと折れます。

もうすぐ収穫!


レポート18

最終更新日2023.12.14

11月14日 収穫 【播種後135日目】

ついに大豆収獲です。初めてのチャレンジでしたが、期待以上に穫れました。

一部に茎が枯れていない「青立ち」があります。水田転作畑や台風で葉が飛ばされた場合は青立ちが発生してしまいます。青立ちは収穫した大豆を汚す原因になるので、引き抜くなり対処が必要です。

コンバイン操作のポイントは、土が入らないように刈取り部を下げすぎず、しかし下に着いた莢を逃さないように刈取り部を上げすぎず作業することです。