実証

2021.07.06更新者:ISEKI

機械化一貫体系でジャガイモを栽培してみた

機械化一貫体系でジャガイモを栽培してみた

1~数ha程度の規模で使うのに丁度よい機械を使ってジャガイモ栽培を行い、採算性を検討します。

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概要

テーマ登録日2021.03.15

機械化一貫体系でジャガイモを栽培してみた

ジャガイモの機械と聞くと、主に北海道で使われているような、とても大きな機械を思い浮かべる方が多いと思いますが、
今回の栽培実証では、中規模向けのジャガイモ機械化一貫体系で主要な機械の実作業時間を計測して、
採算性の検討につなげていこうと思います。
これから機械を導入する方にオススメな、比較的小さな機械での実証となっています。

<使用機> 
 ○トラクタ:NTA343、RTS23 
 ○施肥機:(株)タイショー グランドソワー NPS-170-G3 
 ○ロータリ:松山(株) グランドロータリ SKS1800D-4S 
 ○整形機:かんしょマルチロータリ RAY907M 
 ○移植機:半自動野菜移植機 PVH100-90JLLX 
 ○乗用管理機(防除):JKB17D 
 ○茎葉処理機:田中工機(株) T5N 
 ○収穫機:松山(株) ポテカルゴ GRA650

 


レポート1

最終更新日2021.03.15

種芋を買ってきた

品種は春作でポピュラーな男爵を使います。
芽のしっかりした、いい種芋が入手できました。
素材がいいと、がぜんやる気が出ます。



レポート2

最終更新日2021.03.17

圃場の準備

3/17 移植前に施肥と耕うんを行います。
(株)タイショーのグランドソワー(NPS-170-G3)を付けて
耕うん同時施肥を行いました。
トラクタで1回走るだけだったので、思ったより早く作業が終わりました。

〇使用機
 ・トラクタ:NTA343
 ・ロータリ:松山(株) グランドロータリ SKS1800D-4S 
〇施肥量:野菜専用化成115kg/10a(N:16.1㎏/10a)




レポート3

最終更新日2021.03.18

移植

3/18 今日はうね立てと移植を行います。
面積は7a分作付けします。
マルチ栽培をするので、かんしょマルチロータリ(RAY907M)を使い
同時マルチで畝立てします。
まっすぐできれいな畝が立ちました。

〇トラクタ:RTS23 
〇うね寸法
 ・うね高さ:30㎝
 ・うね裾幅:45㎝
 ・条間:85㎝
〇所要時間:1時間22分/10a(マルチセットは補助者が実施)
※7aの時間をもとに10a分に換算

うね立てが終わったので、早速移植していきます。
移植機は、半自動野菜移植機(PVH100-90JLLX)を使います。
マルチに穴をあけながら移植するので、マルチ栽培でも簡単に移植できます。
ジャガイモのマルチ栽培は深く植えるので、手植えは大変ですが、機械だと深植えも楽々です。

〇移植条件
 ・条数:1条植え
 ・株間:30㎝
 ・植付深さ:20㎝
〇所要時間:1時間34分/10a
※6aの時間をもとに10a分に換算











      

レポート4

最終更新日2021.04.09

発芽

4/9 無事芽が出そろいました。
芽の出るタイミングが揃わなかったので、出始めた頃は欠株を心配していましたが、
ほとんどの株が発芽し一安心です。


レポート5

最終更新日2021.04.30

地上部生長中

4/30 順調に育ち、蕾がつきました。
とても元気よく育っています。




レポート6

最終更新日2021.05.06

開花

5/6 花が咲き始めました。
綺麗な花です。昔は観賞用にもしていたそうです。





レポート7

最終更新日2021.05.08

防除

5/8 うっかりしていました。
せっかく順調に育っていたのに、少し虫に食われてしまいました。
ひどくならないうちに防除したいと思います。
今回は乗用管理機(JKB17D)を使って防除します。



細いタイヤでうねを踏まず、圃場の中まで入っていけます。
また、薬剤を撒くブームの長さが10.2mもあるので、広い面積を一気に撒けます。
作付面積が小さいので、あっけない位すぐに終わってしまいました。

〇所要時間:6分45秒/10a
※7aの時間をもとに10a分に換算

レポート8

最終更新日2021.05.20

イモ成長中

5/20 株に勢いがなくなってきました。



イモがどのくらい育っているか掘って確かめてみたところ、
予想よりも大きくなっていました。

まだ収穫には早いですが、そろそろ黄変する頃でしょうか。

レポート9

最終更新日2021.05.28

黄変

5/28 少し黄変し始めました。
だんだん収穫が近づいています。



レポート10

最終更新日2021.06.09

茎葉処理

6/9 収穫適期になったので、田中工機(株)のひきぬい太郎(T5N)を使って茎葉処理をします。



うねに茎葉の残渣がほとんど残らないので、収穫がしやすそうです。
また、茎葉をある程度まとめた状態で排出できるので、茎葉を圃場の外に
運び出すのも楽にできました。

〇所要時間:1時間25分/10a(マルチ、茎葉回収を除く)
※5aの時間をもとに10a分に換算



マルチをはいでみると、沢山イモができていました。

 


レポート11

最終更新日2021.06.11

収穫

6/11 とうとう待ちに待った収穫です。 天気も良く、圃場も乾いていて絶好の収穫日よりです。 
松山(株)(ニプロ)のポテカルゴ(GRA650)を使って収穫します。
掘ったイモはそのまま回収できるので、手間が省けます。
とてもゆっくりした速度で収穫しているのですが、どんどんイモが運ばれてきます。
慣れないイモの回収選別作業に悪戦苦闘。
イモの選別を早く正確に行うには動体視力が重要だと感じました。

後ろのコンテナ置台が昇降するので、イモを運び出す際、
運搬車に横づけして楽にコンテナを積みこめました。

収量はおよそ2.5t(3.6t/10a)。 
全部運ぶのに、2tトラックで2往復しました。 
機械無しで1日にこれだけの量を収穫するのは、とても無理だと思いました。

〇所要時間:4時間17分/10a
※1aの時間をもとに10a分に換算




レポート12

最終更新日2021.06.25

作業時間計測結果

7aとそれほど広くない面積でしたが、機械のおかげで日々の業務と並行して作業ができ、
無事栽培を終えられました。

私は全て終わってやれやれ、という気分だったのですが、
やって終わりだと実証した意味がありません。
重い腰を上げながら、時間計測結果をまとめてみました。


※防除回数が増えると、その分時間は増加します。

<使用機械一覧>


この後、結果をもとに採算性を検討していこうと思います。