ISEKI
夢ある農業応援団
販売店検索 お問合せ サイトマップ サイトについて
ホーム 商品情報 営農情報 企業情報 投資家情報 採用情報 ENGLISH
中文
情報玉手箱 > 暮らしと健康

情報玉手箱トップ
夢ある農業応援団
井関の歴史
めざましごはん
これからの展示会日程
過去の展示会プレビュー
最新広告とテレビ℃M
ISEKI グッズショップ
壁紙ダウンロード
井関邦三郎創業者ヒストリー
地域のニュースと話題
さなえ図画コンクール
クイズなるほどBOX
暮らしと健康
多目的リンク



こちらのコーナーでは皆様の「暮らしと健康」について、身近なコラムをご紹介します。

エコノミークラス症候群 −旅行者血栓症−

エコノミークラス症候群とは

  長時間の航空機旅行中、及び旅行後に発症する深部静脈血栓症、又は、その血栓により引き
起こされた急性肺動脈血栓塞栓症のことをいいます。血栓形成には、長時間の座位によって静脈血のうっ滞、血液の粘ねん稠ちゅう度の上昇が大いに関係あると考えられています。
 
◆症状はどの様なものか

  それには、深部静脈血栓症と急性肺動脈血栓塞栓症のお話をするのが良いと思います。
   
 

1)深部静脈血栓症
血管内で血液成分が凝固した状態を血栓といいます。血液凝固能の亢進(血液が固まりやすくなる状態)、うっ血(局所の静脈内に静脈血がたまった状態)、及び静脈内皮の損傷などにより起こります。原因は、血液の濃縮がある時(脱水、外傷後など)、手術を受けた後、長期臥床している場合、長時間の座位保持、下肢静脈瘤りゅうのある人等に発症する事が多く、中高年者、特に女性に多いとされています。症状は、下腿の腫脹、疼痛(特に圧すと痛む)、熱感、チアノーゼ(うっ血により局所が青くなる)などです。静脈が血栓によって閉塞すると、浮腫(むくみ)が生じます。下腿静脈に血栓が生じた時は、足関節の伸展運動に伴いふくらはぎの痛みがあります。

 
2)肺動脈血栓塞栓症
静脈に生じた血栓が肺動脈を閉塞したもので、とりわけ下肢の深部静脈血栓症で形成された血栓が肺動脈を閉塞する事が多いものです。この場合は、長期臥が床しょう後や手術後に発症する事が多いのですが、最近は長時間の座位も問題になっています。症状は、急性の時は突然の胸痛、呼吸困難を訴えます。血栓が血管を塞ぎ、末梢の壊え死しを起こした場合は、肺梗塞といい致死的です。
 
◆なぜエコノミークラスなのか
 

長途の航空機旅客の中から深部静脈血栓症等が発症することが分って来ました。エコノミークラスは、旅客の数も多いことから当然発症件数も多くなります。又、席もより広く、水平になり、足も伸ばせるビジネスクラスやファーストクラスに比べ、条件は悪いと言えましょうが、絶対数が多いことからこの名を冠せられたと思います。

航空機の発達により、長距離旅行と大量輸送が可能になった結果、現代社会に於いて長時間座る機会は航空機の機内が最も多くなったことと共に、血栓の危険因子を持つ旅客も気軽に航空機を利用する様になったこともそうした症状の発症が増えた原因に挙げられましょう。
この様な症状が起こるのは、航空機ばかりではなく、長時間の自動車旅行や列車旅行後、観劇、スポーツ観戦後にもある事が分って来ました。又、航空機旅客の中で、ファーストクラスやビジネスクラスにも発症が報告されています。
即ち、航空機旅客に特有なものではなく、長時間同一姿勢で着席していれば発症する危険性があることから、旅行者血栓症と名づけるべきであると言われています。

◆危険因子

 

長時間のフライト中、或いはフライト後に深部静脈血栓症にかかり易い危険因子は、

1)低危険因子
四十才以上、肥満、糖尿病、高脂血症、等の成人病罹患者、三日以内に小外科手術を受けた人等。

 
2)中等度危険因子
下肢静脈瘤のある人、心不全、急性心筋梗塞を発症して六週間以内の人、経口避妊薬(例えばピル等)服用者、妊娠、出産直後、六週間以内に受けた下肢の手術、外傷、骨折のあった人。
 
3)高危険因子
深部静脈血栓症及び急性肺動脈血栓症の既往症のある人、血小板増多症、先天性血栓形成素因のある人、六週間以内に大手術を受けた人、心血管系疾患の既往のある人等。旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)は、右に挙げた様な危険因子を持っている旅客に発症することが多いのですが、全く危険因子が認められない旅客にも発症して居ります。

◆どの様な人に発症するか

 

旅行者血栓症に詳しい森尾比呂志先生の説によりますと、深部静脈血栓症の発症には、航空機特有の低湿度、低気圧、狭い座席などの環境も誘因になります。長距離国際線の旅客は、かなりの数に発症を認める報告もあるそうですが、その多くは、体内の血栓溶解能が亢進して自覚症状も無いままに自然治ち癒ゆしてしまうと考えられています。水分摂取が少なかったり、長時間安静座位を続けていると、下肢の血液のうっ滞や粘稠度が亢進し、血栓形成が進み深部静脈血栓症が悪化します。着陸後、機内で立ち上がった時や歩き出した際に、血栓が肺に達して肺動脈が閉塞すると急性肺動脈血栓塞栓症を発症するのです。中年期以降の人、特に女性に多く見られるのは、これら血栓症の好発年令が中年以降であること、小柄な女性は座った際に椅子の角が膝や大腿の後面を圧迫する形になることも一因であると考えられています。患者の平均搭乗時間は十二時間程度。その間患者が席を立った回数は平均して0.5回にすぎなかったとのことです。半数近くの人が一度も席を立っていなかったことになります。窓側の席では通路に出にくいので、トイレに行かずにすむ様に飲水を控えていた人もいたそうです。


◆予防法

 

最も重要な予防法は、十分な水を摂取すること。体内の水分は一時間に約50ml程失われる為、少くとも二時間おきに約100mlの水分補給を行うこと。日本からヨーロッパにフライトする時は500mlのペットボトル一本分の水分を摂取することを目安とします。機内では、アルコールやコーヒー等は利尿作用がある為控え目が良い。特にアルコールは血液の中の水分を取る作用がある為、血液の粘稠度が強くなるので良くありません。ビールは水分だと思っている人が多い様ですが、アルコール飲料であることに違いはありません。下肢のマッサージをすること。下肢のむくみ、ふくらはぎの痛み、はれを自覚した場合は、深部静脈血栓症の前兆の可能性が高い為、マッサージは特に大切です。

足の運動は次の要領で行います。
A 足を上下に爪先立ちする。爪先を引き上げる。これを繰り返す。
B ひざを両手で抱え、足の力を抜いて足首を回す。
C 足の指を曲げ伸ばしする。
D ふくらはぎを軽くもむ。
その他注意すべきことは
A シートベルト着用のサインが出ていない時は歩いてみる。
B 排泄を我慢しないこと。
C 食事をきちんと食べること。
D 長距離ノンストップ便は出来るだけ避け、不便な様だが経由便又は乗り継ぎ便を利用する。
E ゆったりとした服装を心がける。
旅行者血栓症の予防上最も重要なことは、危険因子を持っている人は、フライト前に予防策を講じることです。特に中等度以上の危険因子を有する人は、予め医師に相談の上、薬物療法或いは弾性ストッキング(足首から膝上までを圧迫する為のもの)等の使用がすすめられます。高度危険因子を持つ人は、凝固能の亢進が特に懸念される場合は、血流を良くする薬物を服用しておいた方がよろしいでしょう。よく医師と相談して下さい。尚、本稿は、日本宇宙航空環境医学会のワーキンググループ「エコノミークラス症候群に関する検討委員会」が公表した提言に基いて、私見を混じえて記しました。
 
 
 
  T.四十肩・五十肩
  U.枕と健康
  V.ばね指
  IV.かぜとインフルエンザ
  V.エコノミークラス症候群
出所:
症例から見た「暮らしと健康」 著者 師岡正年
著者紹介 井関農機株式会社産業医
発行所: 井関農機株式会社
 

ホーム商品情報企業情報投資家情報採用情報English 井関農機株式会社