お客様インタビュー

お客様インタビュー
「疎植栽培なら人件費を無理なく圧縮できるんです。」

株式会社なんかいファーム
代表取締役 清水洋さん(写真左)
神奈川県南足柄市

■事業内容/
水稲5.5ha 大豆20a タマネギ1ha 
小麦20a 野菜(ブロッコリー・キャベツ・白菜・カリフラワーなど)

[聞き手]
疎植アドバイザー 庄山寿
(井関農機㈱夢ある農業応援プロジェクト
推進部所属/写真右)
写真
図1
科学的に学んだ疎植栽培で
水稲への意識が180度変わった

庄山 なんかいファームさんでは昨年から疎植栽培を採用していますが、今年は水稲全体の中でどれくらいの比率ですか?

清水 全部です。昨年は水稲すべて(3.7ha)で42株植。今年は5.5haまるごと37株植にしました(昨年は3.7haで42株植)。

庄山 ずいぶん疎植栽培を高く評価しているんですね。

清水 実は、会社を設立した当初から、水稲にはあまり面白味を感じていなかったんです。夢プロ(井関農機㈱夢ある農業応援プロジェクト推進部)の皆さんから疎植栽培を教えていただいて、水稲に対する意識が180度変わったんですよ。

庄山 疎植栽培のどんなところが清水社長の心に響いたのですか?

清水 稲の生育と日照時間の関係、水管理について、疎植栽培を通じて「科学的な裏付け」に基づいて学ぶことができた点ですね。

庄山 実際に疎植栽培をやってみて、どんな印象をもちましたか?

清水 田植え直後の田んぼはスカスカで不安を覚えました。その様子を見に来た近所の人からは「なんかいファームさんの田んぼ、かわいそうだね」って同情されました。でも、生育が進むにつれて株が大きくなり、穂が出る頃になると、周囲の慣行栽培の稲を追い越していました。

庄山 疎植の効果ですね。

清水 昨年末から取り組んでいる土づくりの効果も大きいと思います。これも夢プロさんに教わったノウハウです。

疎植栽培が可能にした
2年3作のローテーション

庄山 収量はどうですか?

清水 今年は8~9俵の間です。疎植は稲刈りのときも違いますね。株が大きいから倒れにくいし、刈りやすい。周辺の田んぼとは明らかに見た目が違うから、この地域の農家さんや受託業者さんから注目されています。

庄山 教えてほしいと言ってくる人もいそうですね。

清水 私が学んだ栽培技術を広めて、この地域を元気にしたいですね。疎植栽培について、私は科学的な根拠に基づいて教えてもらったので、人に教えるときも、科学的に教えることができると思います。

庄山 37株疎植を導入したことで、経営的なメリットはありましたか?

清水 田植え作業は、基本的に私一人でやるか、補助が一人付くだけ。疎植栽培なら、人件費を無理なく削減できるんです。農業の生産費の中でいちばん高いのは人件費ですから。

庄山 10aあたりの苗箱は何枚ですか?

清水 種を多めにまいているので10枚弱でいけますね。5条植なら苗補給なしで10~20aを植えられるので、1日に0.7~1haの移植作業が可能です。とくに5月はタマネギの収穫と田んぼの準備を並行してやらなければならないので、疎植栽培による作業の効率化は不可欠です。

庄山 清水社長の経営方針は、徹底して効率重視ですね。

清水 農地の活用も同様です。この地域の農業の基本となるのは水田です。今年度からの事業計画では、水稲とタマネギ、大豆のローテーションを採り入れて2年3作で農地を有効活用しようとしています。この秋には、うどん用とパン用小麦の作付も予定しています。

(取材日/平成25年9月18日)

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なんかいファームの田んぼは、今年の秋も疎植の稲ならではの大きな穂をつけていた。
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「疎植の稲は倒れにくいから刈りやすい」と清水社長。

ワンポイント解説

〔タマネギ〕→〔水稲〕→〔大豆〕の2年3作を導入しようとしているなんかいファームの経営において、タマネギの収穫と田植えが集中する5月は、疎植による作業の効率化が不可欠です。