お客様インタビュー

お客様インタビュー
「疎植栽培で飼料用米べこあおばの1t穫りに成功!!

池田通士さん
山形県遊佐町下小松
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元肥ゼロ・追肥ゼロで
本当に1t穫れるのか!?

―― 池田さんは今年、37株植の飼料用米で1t穫り(10a)に挑戦したそうですね?

池田 1t穫りを狙って、大豆転作(3年)から復田した田んぼにべこあおばを作付けしました。

―― 生育のプロセスはどうでしたか?

池田 転作あとから出てくるチッ素を充分吸って稲がすごく大きくなりました。しかも葉色の濃い状態が続いたので、追肥しなくても1t穫りは可能だと思いました。通常の圃場で1t穫ろうとすると、べこあおばといえども肥料を大量に施用しなければなりません。飼料用米の価格を考えると、大量に施肥してまで1t穫ることにあまり意味はない。でも、大豆あとの圃場なら、元肥ゼロ・追肥ゼロで1t穫りが可能なんです。

立毛乾燥の採用で
乾燥調製もコストダウン

―― 立毛乾燥も新たに試みたそうですね?

池田 稲を自然の状態で立ち枯れさせて乾燥することで、乾燥機の燃料費を大幅に削減できます。雨の影響を受けると着色粒や胴割れの原因となりますが、飼料用米なので気にすることはありません。どうせ粉砕加工するんですから。立毛乾燥は飼料用米だからこそできる低コスト技術なんです。

―― 実際に立毛乾燥をやってみてどうでしたか?

池田 べこあおばは千粒重33gと粒が大きい品種で登熟期間が長いため、早く刈るとどうしても水分が多く、乾燥機の燃料費がバカにならない。時間もかかります。そこで収穫を意図的に遅らせて、徹底的に稔らせてから刈るようにしました。10月1日時点で籾水分量は29%。収穫当日の10月20日は20.8%。収穫後、カントリーでの行程は仕上げ乾燥だけで済みました。

主食用米→大豆→飼料用米で
理想的なローテーションを確立

―― 収穫後の調査では、べこあおばの収量は1016kg/10a。1t穫りの挑戦は成功でしたね。

池田 飼料用米の1t穫りが可能になると、転作を含めた水稲経営全体に新たな展望が開けてきます。大豆→主食用米の間に飼料用米を2~3年はさむ新たなローテーションを組むことができるんです。

―― ブランド米と大豆にも良い影響があるのですね?

池田 はえぬきなどのブランド米を大豆あとでつくろうとすると、チッ素濃度の影響で倒伏のリスクが高まり、食味が低下すします。しかし、飼料用米なら食味の心配をする必要がない。しかも、茎が太いべこあおばは倒れない。大豆の連作は5年が限界で、3~4年目から雑草が手に負えなくなり、除草剤を使わざるを得ない。飼料用米がクッションになれば、水田は除草効率がいいから、除草剤の使用は最小限で済みます。

―― 37株植の導入効果について、どのようにお考えですか?

池田 37株植なら育苗経費は半分、大豆あとなら肥料ゼロで1t以上穫れるのですから、理想的な低コスト栽培でしょうね。

(取材日/平成21年10月15日)

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べこあおばの籾は主食用米より一回り以上も大きい。
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20日かけて立毛乾燥させたべこあおば。