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連載 【国産野菜の底力】
> ≪No.4≫その道30年のベテラン生産者が「使いやすい」と認めた生姜引抜機の実力
生姜栽培はうねを横切るように植えていくのが伝統的な手法だ。「横アゴ」と呼ばれる植付方法である。管理機でうねの横方向にアゴ(深さ10〜15cmの溝)をつけ、一つのアゴに250gの種芋を5個ずつ手で植えていく。
収穫もうねを横切りながら作業する。生姜引抜機は、車輪がうね間にはまって上下動しないように、7輪を配したホイールベースの長い形状となる。水田さんが、20年前に購入した生姜引抜機からVHG1-KGに更新したのは平成20年のことだ。
「見た目と実際の使い勝手が全然違ったね。それまでの重厚な機械のイメージと違って、小さくて頼りなさそうに見えたんですわ(笑)。でも使ってみたら、軽くてコンパクトやから枕地で小回りが利く。この機械にして良かった」と水田さんは評価する。
通常の作物と同様にうねと同じ方向(縦アゴ)に植えていくやり方もある。作業能率が良く、管理も楽だから、現在はこのやり方が主流になっている。縦アゴでVHG1-KGを使用する際にはレバー操作だけで機体の水平を保つことができる。
「作業のたびにタイヤを脱着する手間がなくなり、作業能率が上がりました。全体に使い勝手がいい。引き上げ姿勢もいいから、後作業が楽になる」。
VHG1-KGで引き抜いた生姜は、カットした茎が直立の状態になっている点がポイント。こうしておくことで、人手による後作業は立ったままできるので作業者の負担が軽くなるのだ。
水田さんは、今も「横アゴ」を守り続けている生産者の一人だ。では、なぜ横アゴなのか?
「縦アゴの場合、大雨が降ると水はうねの方向にしか逃げないけれど、横アゴなら横方向にも水が逃げる。とくにこのあたりは排水が良くないので、面倒でも横アゴでやっているんです」。
アゴつけや管理、収穫作業は常にうねを横断しながら行うため、作業能率は悪いが、品質の良い生姜をつくるには理にかなった栽培方法なのだ。
ちなみに高知県は生姜の生産量日本一。温暖な気候が、寒さに弱い生姜には適しているのだ。27歳で就農した年から30年間、水田さんはこの地で生姜を作り続けてきた。
土寄せや“かりよい”(雨よけ日よけ、雑草防止のための敷きワラ)、台風対策の杭打ちとネット架け…、管理作業の手間はかかるが、生姜は病気にかかりやすいデリケートな作物だから手を抜くことはできない。
収穫作業は10月末から20日間。寒くなる前に集中して行わなければならないため、収穫期には12〜13名の人手が必要だ。その人件費もバカにならない。
決して楽ではない生姜栽培だが、一昨年の夏、長男の太央さん(26歳)が後継者として就農した。
「まだ右も左もわからんでやっているけど、自分は楽になりましたわ」と水田さん。生姜栽培の高度な技術が、こうして次の世代へ受け継がれていく。