お客様インタビュー

お客様インタビュー
作期の拡大が直播をやっている最大のメリットです。

有限会社ごんべい
代表取締役 大竹 久一さん(60歳)
福島県大沼郡会津美里町

[聞き手]
株式会社ヰセキ東北 高田営業所
所長 白岩 周一(写真右)
写真
 
直播といえども管理は重要
白岩
大竹さんのところではずいぶん前から直播にも取り組まれていますよね。
大竹
20年くらい前、1haの区画整理があったときに有人ヘリで播いたのが最初でした。
白岩
どうして直播に取り組もうと思ったのですか?
大竹
最初は省力化が目的でした。苗づくりの労力は少なくなりましたが、播いてから後の2週間は水管理やら除草剤散布やらで3倍の労力がかかります。労力のない人やお勤めのある人、人にやってもらって苗を買って植えるのは高いからと直播を選ぶ人がいるけれど、それでも管理は重要なんです。
白岩
どういうことでしょう?
大竹
直播の田んぼでも、きちんと管理して草の生えていない田んぼがあったり、草だらけの田んぼある。いろいろあるということは、やはり管理が重要なんです。播種後の2週間をしっかりやっていれば、あとは移植と同じです。
白岩
直播+移植の期間が1ヶ月と1週間くらい。経営的に見てどうですか?
大竹
非常にラクです。直播がないと大変なことになります。作期を拡大できることが直播をやっている最大のメリットです。
白岩
収穫の期間も変わってきますね。
大竹
天気次第だけれど、1ヶ月と10日くらいですね。予備日を入れて1ヶ月と2週間くらいは見ています。

■栽培品種の内訳

栽培品種の内訳

■春秋の作業スケジュール

春秋の作業スケジュール
まとまった場所で直播をやれば鳥が分散してくれる
白岩
コーティング資材は何を使っていますか?
大竹
基本はカルパー。3年前から鉄(1ha)を、2年前からべんがらモリブデン(30a)を試験してます。
白岩
直播栽培のポイントは何でしょう?
大竹
コーティング資材によって異なりますが、カルパーの場合は初期の除草剤ですね。そして散布後には水をしっかり抜くこと。昨年から新しい除草剤ができて播種と同時に処理できるようになったので、かなり楽になると思います。
白岩
発芽率は気になりますよね。
大竹
カルパーの場合、播いた後しっかり干せば発芽率は上がります。だからといってやり過ぎるとスズメが来る。その見極めですね。スズメはちょっと芽が出ると来るから、それを合図にして水を張ってやればいい。
白岩
直播のイネは倒れやすいと言われますが?
大竹
倒れる原因は移植も直播も同じだと思います。
白岩
やはり重要になるのは管理でしょうか?
大竹
直播は直播なりに管理すればいい。生育ステージが少し遅れるので、遅れるなりの管理をしてやれば大丈夫です。
白岩
具体的にはどういった管理方法がありますか?
大竹
肥料の選択とか。いろいろな種類がある一発肥料の中から、このあたりの気候に適したタイプものを選択する。あとは水管理。生育の進み具合に応じてずらしていきます。
白岩
鳥害対策は効果的な方法はありますか?
大竹
直播研究会というのがあって、このあたりは直播をやる人が多い。うちが直播にしている13haの周辺もほとんど直播なんです。そうすると鳥が分散するから、被害があっても許容範囲で収まる。鳥にあげる分だけ余分に播いとけって感じですね。
白岩
地域で直播に取り組んでいるメリットですね。
大竹
そうです。このあたりでも飛び地で直播をやると集中攻撃を受けます。
直播をやるなら集団でやった方がいい
白岩
20年やってこられた中で、技術的に変えたことはありますか?
大竹
温湯処理の種籾は発芽率がグンとよくなることがわかりました。今、JA会津みどりには温湯処理の設備があって、そこでやってくれます。温湯処理した種籾と薬剤処理した種籾と両方播いたことがあるんです。温湯処理の方が発芽率、早さ、揃い、いずれも良かった。歴然の違いがありました。
白岩
直播の導入を検討している人にアドバイスはありますか?
大竹
直播をやるなら集団でやった方がいい。とくに水管理。ここは田植えの水が入ってくるのが5月10日頃から。ところが会津で5月10日以降に直播をすると生育が遅れてしまう。だから直播をやっているところは4月25日頃から水が流れてくる。直播をやる人がたくさんいるからそれができるんです。
白岩
来年以降はどのような計画を?
大竹
直播は増やしてもいいのですが やはり集まっているところでやりたい。直播と移植をローテーションするのがいいのかなと思っています。
白岩
なぜですか?
大竹
雑草イネが問題になったことがあるんです。直播は田んぼの中で発芽させるように管理するから、雑草イネまでよく芽が出てしまう。直播を毎年続けると増えてきて、イネだから除草剤が効かない。だから4~5年くらいで移植とローテーションするのがいいのかもしれない。そのあたりを検討しながらやっていきたいですね。

(取材日/平成27年9月10日)